【徹底比較】Insta360 X4 vs Insta360 ONE RS 1インチ 360度版

困っている人

・Insta360 X4とInsta360 ONE RS 1インチ 360度版、どっちの方が性能が良いんだろう?

・Insta360 ONE RS 1インチ 360度版を持っているけど、Insta360 X4に買い換えた方が良いのかな?

カトケン

こんな悩みを解決する記事を書きました。

2010年にGoogleでベンダー社員として働き始め、今までに3,000件以上の室内版ストリートビューを撮影してきました。現在は株式会社ブリッヂというバーチャルツアー制作の会社を経営しています。

この記事では2024年4月16日に発売された「Insta360 X4」と、2022年6月28日に発売された「Insta360 ONE RS 1インチ 360度版」を比較します。

僕は仕事でドローンで撮影したようなFPV視点の映像を作るのにInsta360のカメラを良く使用しており、今まではproシリーズを除いて最も画質の良い「Insta360 ONE RS 1インチ 360度版」を使用していたのですが、今回発売された「Insta360 X4」は8K撮影に対応しているという事だったので、仕事用のメイン機として乗り換えを検討していました。

ですが、この2機についての詳細な比較記事がなかったので、自分で気になる部分を検証してみる事にしました。

この両機のカタログスペックを比較すると、ONE RS 1インチの方は360度撮影だけですが、X4では360度撮影に加えて片方のレンズだけを使用した撮影ができたりと、そもそも撮影できるモードが違っていたり、それぞれの長所短所があるので比較しづらいんですね。

そこで、この記事では純粋に「高品質な360度動画を撮影する」という事に絞って、どちらのカメラが優れているかをお話ししていきます。

目次

高品質な360度動画を撮影するための比較項目

高品質な360度動画を撮影するために、以下の三つの項目を重視して比較をしたいと思います。

  1. 解像度とFPS
  2. 暗所性能
  3. ファイルサイズ

1. 解像度とFPS

解像度が高ければ高精細な映像になるのでシンプルに一番重要な項目なのですが、それと同じくらい僕が重視しているのがFPS(フレームレート)になります。

仕事で360度動画を制作するとき、クライアントの要望に合わせてリフレームや動画速度の調整を細かく行うのですが、標準速度でも画面を大きく横に振ってリフレームすると映像がコマ落ちしてしまう場合が出てきます。

編集の自由度を残しておく為には出来るだけ高いフレームレートで撮影する事が理想だと思っているので、各解像度で最大のFPSに設定した場合の映像を比較していきます。

まず、X4の各解像度における最大のフレームレートは以下の通りです。

  • 8K: 7680×3840 @30fps
  • 5.7K+: 5760×2880 @30fps
  • 5.7K: 5760×2880 @60fps
  • 4K: 3840×1920 @100fps

5.7K+というのは、8Kに近い画質でファイルサイズを抑えるために開発されたモードとの事で、8Kよりは劣るものの普通の5.7Kよりは解像度が上がるという中間の立ち位置のようです。フレームレートが30fpsまでしかあげられない為僕的にはあまり使い所がなさそうですが、一応この5.7K+も加えた3つで比較映像を撮影します。

次に、ONE RS 1インチ 360度版では、4K、6Kが選べ、フレームレートの最大値は同じ30fpsになります。

  • 6K: 5888×2944 @30fps
  • 4K: 3840×1920 @30fps

こちらは単純に解像度の高い6K30fpsで比較動画を撮影します。

2. 暗所性能

カメラのイメージセンサーが大きいと映像を記録する際によりたくさんの光を取り込む事ができるので、暗い環境で撮影をする場合、センサーサイズが大きいカメラの方が映像にノイズなどが出ず綺麗な映像を撮影することができます。

Insta360 ONE R 1インチ版はX4の2倍のセンサーサイズになるので、この部分が画質にどう影響するかを確認するため、日中、夕方、夜で撮影を行います。

3. ファイルサイズ

僕は仕事で30秒から1分程度のクリップを撮影する事が多いのですが、バイクでのモトログやスノボーなどのスポーツ撮影では長回しをする機会が多いと思います。

ファイルサイズが大きいと編集するにも重くなるし、スマホに保存しておくのも容量を圧迫するので、出来るだけ小さいサイズにする事が望ましいですよね。

解像度とフレームレートでデータサイズにどのくらいの差が出るかを比較するため、各動画の撮影時間を統一して検証します。

撮影・編集時の設定

撮影はこちらの設定で順番に行なっていきます。

ONE RS 1インチ 360度版
  • 6K(5888×2944)30fps
X4
  • 8K(7680×3840)30fps
  • 5.7K+(5760×2880)30fps
  • 5.7K(5760×2880)60fps

ISO、シャッタースピード、露出は全てオートで撮影します。

撮影したデータを動画編集ソフトで編集するために、一度PCのinsta360スタジオでmp4などのフォーマットに書き出しを行うのですが、その際、insta360スタジオのメディア処理の項目で「色彩鮮やか」をオンにし、強度を30に設定しています。書き出し設定は、ビットレートは50、エンコードフォーマットはH265で統一しています。

実際の映像

ここからは実際の映像を見てそれぞれの設定でどのような見え方になるかを確認してみてください。以下のリンクから各設定の映像を見ることができます。

各映像のファイルサイズは以下のようになりましたので撮影時の参考にして頂ければと思います。

サンプル動画①(昼):30秒

ONE RS 1インチ 360度版

・6K(5888×2944)30fps:505MB

X4

・8K(7680×3840)30fps:722MB

・5.7K+(5760×2880)30fps:444MB

・5.7K(5760×2880)60fps:776MB

サンプル動画②(夕方):60秒

ONE RS 1インチ 360度版

・6K(5888×2944)30fps:968MB

X4

・8K(7680×3840)30fps:1.21GB

・5.7K+(5760×2880)30fps:790MB

・5.7K(5760×2880)60fps:1.52GB

サンプル動画③(夜1):40秒

ONE RS 1インチ 360度版

・6K(5888×2944)30fps:672MB

X4

・8K(7680×3840)30fps:697MB

・5.7K+(5760×2880)30fps:409MB

・5.7K(5760×2880)60fps:772MB

サンプル動画④(夜2):60秒

ONE RS 1インチ 360度版

・6K(5888×2944)30fps:967MB

X4

・8K(7680×3840)30fps:984MB

・5.7K+(5760×2880)30fps:592MB

・5.7K(5760×2880)60fps:1GB

まとめ

比較してみた結論としては、以下となります。

  • 暗所性能はスペック通りInsta360 ONE RS 1インチ 360度版が一番良い
  • 明るい場所ではX4の8Kが一番綺麗。ファイルサイズを考えると5.7K+が一番使いやすい。

ですので、本当に画質を追い求める場合は、暗い場所用と明るい場所用で上記2台のカメラを使い分ける事が理想になります。

しかし、そこまで360度カメラのわずかな画質の差にこだわる人はあまりいないと思うので、僕としてはすでにInsta360 ONE RS 1インチ 360度版を持っている方は買い替える必要はなく、これから新たに360度カメラを買う方にはX4をおすすめします。

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最後まで読んで頂きありがとうございました。それではまた!

この記事を書いた人

株式会社ブリッヂ 代表取締役

2010年からGoogleのベンダー社員として3,000件以上の室内版ストリートビューを撮影してきました。
VRや360度コンテンツの作り方、Googleビジネスプロフィールの使い方が学べるブログを書いています。

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